4月7日、昭和音大のテアトロ・ジーリオ・ショウワで公開レッスンが行われました。おそらくこの様な観客を入れての一般公開のレッスンはグリゴーロは初めてだと思います。観客は声楽専門の方とか学生さん、それから私のような普通のオペラ好きの人たち、けっこうたくさんいらしてました。
私が、ヴィットリオ・グリゴーロの存在を知ったのが、2008年6月、その時から、彼の声、歌い方に惹かれてネットで追っかけを始めました。グリゴーロについてはじめて書いたブログの記事が「ワシントンのジェンナーロはヴィットリオ・グリゴーロに...オペラ+ポップス歌手☆13才ボーイソプラノ」。海外に行ってまでの追っかけはめんどくさい(実は出不精)のでしませんでしたから、この公開レッスンが初生グリゴーロです。でもなんか初めてって感じがしませんでした。
6時開場で、6時半からでしたが、6時数分過ぎにグリゴーロが一人でフラフラと現れてピアノを即興で弾き始めました。グリゴーロって「ピアノ大好き」なので、ピアノがあるとすぐ弾いちゃうようです。サックスのモノマネ風(これはお得意でよくやる)の鼻歌、口笛まじりで20分くらい弾いてました.....次にステージに腰掛けて英語でペラペラ話しはじめて、かなり喋った後、客席に向かって「英語分かる? 何語で喋る?」なんて言ってたらあわてて通訳さんが出て来てイタリア語になりました。pausaの重要性、comunicazioneの大切さ、知識の使い方、音楽の功用、今日は他のことは考えないで僕に集中してね....
*グリゴーロの即興演奏に興味のある方は、ほんの一部ですが....こちらをクリック
公開レッスンは、受講生の方たちは大変だったと思いますが、見ている方は、面白い、楽しい、圧倒されっぱなし、長年ネットで追っかけしていますので、まあ、普通の公開レッスンということはないな、多分止まらなくなって時間も延びるぞ.....と想像していましたが、案の定、トイレタイムも無しの3時間でした。通訳兼進行係の方が、5分だけでも休憩とりましょうか....と提案しましたが却下、そのとき最前列の女性二人が多分トイレに行こうとして席を立ったら、グリゴーロ「どこへいくの、帰っちゃダメ」と引き止め、「ふざけてごめんね」だって。進行係の方が「トイレに行きたい方はどうぞ」とフォローしていました。
お手本歌って喋って3時間ぶっ続けで一番疲れたのはグリゴーロでしょうね。最後には「お腹すいたよぉ〜」って日本語で、「声が残ってたらコンサートやるよ」だって。
受講生は5人
■工藤翔陽(テノール/昭和音楽大学大学院修士課程2年):フェデリーコの嘆き(アルルの女)/ 人知れぬ涙(愛の妙薬)
■小野寺光(バス・バリトン/昭和音楽大学大学院修士課程2年) :外套の歌(ボエーム) /少しばかりその目を開け(フィガロの結婚)
■尾形志織(ソプラノ/藤原歌劇団準団員) :あの人の優しい声が~香炉が.. (ルチア) /おかしいわ!おかしいわ!~(椿姫)
■井出司(テノール/藤原歌劇団団員):燃える心を(椿姫) /この剣の役目です(カプレーティとモンテッキ)
■山内政幸(テノール/藤原歌劇団団員):そうだ、お前達の言う通りだ…(ヴェルディの海賊)/ ああ太陽よ昇れ(ロメオとジュリエット)
どんな内容だったか...文章にするのは面倒なので、思い出せるだけ箇条書きで。
・最初の工藤君、上着、シャツまで脱がされちゃいました。後の方は、上着とネクタイはずしただけで許してもらってました。
・歌っちゃダメ、気持ちを表現して
・Vecchia zimarra" の学生さんには、「やっと自分のアリアが歌えるって喜んじゃだめ、気持ちを考えて....」
・受講生全員に共通することは、「口を母音のOオーの形にして、口の中のスペースを最大にして声は頭頂に響かせること」グリゴーロもお手本を見せながら受講生の顎を下に引っ張るように両手でなでるわ、とにかく密着指導.....自分の身体を楽器にする声楽って凄い....こうやって日々鍛錬するんだな.....頭が下がります
・正しく声を響かせられれば、大きな声も弱音も楽に出せる...今のままの発声だと歌手生命短いよ....なんて言われていた学生さんも
・ルチアを歌ったソプラノさん、なかなかよかった....グリゴーロにいろいろ言われてたけど、めげずに挑戦して良くなった部分もあったし。グリゴーロのルチアもよかった.....
・グリゴーロの腹筋を受講生に叩かせながら歌ってましたが、「もっと強く、もっと強く」ってバンバン叩いても声が揺れない強靭な腹筋....声の響かせ方、支え方を体験させてました
・身体に力が入ってちゃダメだけど、指の先までエネルギーが伝わるように、システィーナ礼拝堂の天井画のように
・オペラ歌手はバレエダンサーのようにどこを使うといいのか、どうなるのかよく知らないとダメ
・ブレスは表現としてのブレスもある
・受講生それぞれに「ウチでどういう発声練習してるの?」って聞いて、やり方をアドバイス
・椿姫の「燃える心を」は僕のレパートリーだよ....って歌ってくれた
・「ロメオとジュリエット」の受講生に「今まで何回くらい恋をしたことあるの?」口ごもっていたら、「観客のことは気にしないで教えて」「ええ!11回も...それが本当だったら、僕はひざまずいちゃうよ」
・「ジュリエット出て来て、出て来て....っていう気持ちで歌ってね」、と情感たっぷりにお手本をちょっと歌ってくれました
・「ロメオとジュリエット」を歌った受講生は、恰幅のいいちょっと頭の薄いテノールさんでしたが、「ロメオより、カヴァラドッシとか.....アイーダもいいかも、声的にもロメオなんかよりもっと英雄的なものの方がいいと思うよ、選曲も大切」
やっぱり型破りな公開レッスンでした。声楽専門の方たちにとっては当たり前のことを教えているんでしょうけど、素人には凄く面白い内容でした。
4/7「ヴィットリオ・グリゴーロ 声楽公開レッスン」開催
2015年4月7日(火) 18:30開講
会場:昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ
講師:ヴィットリオ・グリゴーロ(テノール)
ピアノ:ヴィンチェンツォ・スカレーラ
通訳:田口道子
出演:藤原歌劇団団員/昭和音楽大学大学院生(予定)
主催:公益財団法人日本オペラ振興会
私が、ヴィットリオ・グリゴーロの存在を知ったのが、2008年6月、その時から、彼の声、歌い方に惹かれてネットで追っかけを始めました。グリゴーロについてはじめて書いたブログの記事が「ワシントンのジェンナーロはヴィットリオ・グリゴーロに...オペラ+ポップス歌手☆13才ボーイソプラノ」。海外に行ってまでの追っかけはめんどくさい(実は出不精)のでしませんでしたから、この公開レッスンが初生グリゴーロです。でもなんか初めてって感じがしませんでした。
6時開場で、6時半からでしたが、6時数分過ぎにグリゴーロが一人でフラフラと現れてピアノを即興で弾き始めました。グリゴーロって「ピアノ大好き」なので、ピアノがあるとすぐ弾いちゃうようです。サックスのモノマネ風(これはお得意でよくやる)の鼻歌、口笛まじりで20分くらい弾いてました.....次にステージに腰掛けて英語でペラペラ話しはじめて、かなり喋った後、客席に向かって「英語分かる? 何語で喋る?」なんて言ってたらあわてて通訳さんが出て来てイタリア語になりました。pausaの重要性、comunicazioneの大切さ、知識の使い方、音楽の功用、今日は他のことは考えないで僕に集中してね....
![]() ![]() ![]() |
*グリゴーロの即興演奏に興味のある方は、ほんの一部ですが....こちらをクリック
公開レッスンは、受講生の方たちは大変だったと思いますが、見ている方は、面白い、楽しい、圧倒されっぱなし、長年ネットで追っかけしていますので、まあ、普通の公開レッスンということはないな、多分止まらなくなって時間も延びるぞ.....と想像していましたが、案の定、トイレタイムも無しの3時間でした。通訳兼進行係の方が、5分だけでも休憩とりましょうか....と提案しましたが却下、そのとき最前列の女性二人が多分トイレに行こうとして席を立ったら、グリゴーロ「どこへいくの、帰っちゃダメ」と引き止め、「ふざけてごめんね」だって。進行係の方が「トイレに行きたい方はどうぞ」とフォローしていました。
お手本歌って喋って3時間ぶっ続けで一番疲れたのはグリゴーロでしょうね。最後には「お腹すいたよぉ〜」って日本語で、「声が残ってたらコンサートやるよ」だって。
受講生は5人
■工藤翔陽(テノール/昭和音楽大学大学院修士課程2年):フェデリーコの嘆き(アルルの女)/
■小野寺光(バス・バリトン/昭和音楽大学大学院修士課程2年) :外套の歌(ボエーム) /
■尾形志織(ソプラノ/藤原歌劇団準団員) :あの人の優しい声が~香炉が.. (ルチア) /
■井出司(テノール/藤原歌劇団団員):燃える心を(椿姫) /
■山内政幸(テノール/藤原歌劇団団員):
どんな内容だったか...文章にするのは面倒なので、思い出せるだけ箇条書きで。
・最初の工藤君、上着、シャツまで脱がされちゃいました。後の方は、上着とネクタイはずしただけで許してもらってました。
・歌っちゃダメ、気持ちを表現して
・Vecchia zimarra" の学生さんには、「やっと自分のアリアが歌えるって喜んじゃだめ、気持ちを考えて....」
・受講生全員に共通することは、「口を母音のOオーの形にして、口の中のスペースを最大にして声は頭頂に響かせること」グリゴーロもお手本を見せながら受講生の顎を下に引っ張るように両手でなでるわ、とにかく密着指導.....自分の身体を楽器にする声楽って凄い....こうやって日々鍛錬するんだな.....頭が下がります
・正しく声を響かせられれば、大きな声も弱音も楽に出せる...今のままの発声だと歌手生命短いよ....なんて言われていた学生さんも
・ルチアを歌ったソプラノさん、なかなかよかった....グリゴーロにいろいろ言われてたけど、めげずに挑戦して良くなった部分もあったし。グリゴーロのルチアもよかった.....
・グリゴーロの腹筋を受講生に叩かせながら歌ってましたが、「もっと強く、もっと強く」ってバンバン叩いても声が揺れない強靭な腹筋....声の響かせ方、支え方を体験させてました
・身体に力が入ってちゃダメだけど、指の先までエネルギーが伝わるように、システィーナ礼拝堂の天井画のように
・オペラ歌手はバレエダンサーのようにどこを使うといいのか、どうなるのかよく知らないとダメ
・ブレスは表現としてのブレスもある
・受講生それぞれに「ウチでどういう発声練習してるの?」って聞いて、やり方をアドバイス
・椿姫の「燃える心を」は僕のレパートリーだよ....って歌ってくれた
・「ロメオとジュリエット」の受講生に「今まで何回くらい恋をしたことあるの?」口ごもっていたら、「観客のことは気にしないで教えて」「ええ!11回も...それが本当だったら、僕はひざまずいちゃうよ」
・「ジュリエット出て来て、出て来て....っていう気持ちで歌ってね」、と情感たっぷりにお手本をちょっと歌ってくれました
・「ロメオとジュリエット」を歌った受講生は、恰幅のいいちょっと頭の薄いテノールさんでしたが、「ロメオより、カヴァラドッシとか.....アイーダもいいかも、声的にもロメオなんかよりもっと英雄的なものの方がいいと思うよ、選曲も大切」
やっぱり型破りな公開レッスンでした。声楽専門の方たちにとっては当たり前のことを教えているんでしょうけど、素人には凄く面白い内容でした。
4/7「ヴィットリオ・グリゴーロ 声楽公開レッスン」開催
2015年4月7日(火) 18:30開講
会場:昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ
講師:ヴィットリオ・グリゴーロ(テノール)
ピアノ:ヴィンチェンツォ・スカレーラ
通訳:田口道子
出演:藤原歌劇団団員/昭和音楽大学大学院生(予定)
主催:公益財団法人日本オペラ振興会