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Channel: ヴィットリオ・グリゴーロ(テノール)資料室
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スポーツとオペラ:テノールのフェデラー...ヴィットリオ・グリゴーロ(2010.7.6記事)☆ エルネスツ・ガルビスと...(2013.5)

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 グリゴーロのfacebookにテニスプレーヤーのエルネスツ・ガルビス(Ernests Gulbis, 1988.8.30- ラトビア・リガ出身)との写真が掲載されました。5月1日にメトの「リゴレット」が終って、ウィーン国立歌劇場の「椿姫」が8日からですから、ニューヨークからウィーンに移動して、忙しいなか、プロの選手とプレイするなんて....元気だなぁ.....写真を撮ったのは、下の過去記事でも名前が出てくるATPのチーム・マネージャーのヴィットリオ・セルミなんですね。ということは、エルネスツ・ガルビスはオペラ好きのセルミ氏に誘われてウィーンに来たのかもしれません。
 ちなみにこのレストランは、ウィーン国立歌劇場に隣接するマーラー通りのリストランテ・サンカルロのようです。
gri_Gulbis_vienna.jpg
(2013.5.14追記)
☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 ◎Operachicさんのブログにファン・ディエゴ・フローレスの特別インタビューが掲載されています。長いインタビュー記事ですが、最後の質問で、テニスのことを話しています。(2010.7.21)

以下2010-07-17の記事:
 インタビューでいつも「オペラの公演はテニスマッチと共通点がある....」と語っているヴィットリオ・グリゴーロですが、ROHの《マノン》の公演(6.22〜7.10)と、ウィンブルドン・テニス選手権の開催時期(2010.6.21~7.4)がちょうど重なったためでしょうか、ちょっと変わった記事が La Stampa に掲載されました。もしかして、ビリャソンの代役を喜んで引き受けたのは、ウィンブルドンのためだったのかも.....グリゴーロはロジャー・フェデラー(下写真左)の熱心なファンですが、今回は決勝戦に残れませんでしたけど....


Roger Federer と Vittorio Grigolo
Novak Djokovic と Vittorio Grigolo

Nicola Pietrangeli と Vittorio Grigolo

Il Federer dei tenori: "Ecco perchè lirica e tennis si amano"
   STEFANO SEMERARO(06/07/2010 ロンドン)

 『テノールのフェデラー、ヴィットリオ・グリゴーロは、ロイヤル・オペラハウスの《マノン》の何回目かの公演の後、ロンドンのホテルのレストランで、本物のフェデラーと一緒に、《フィガロの結婚》の"この綺麗な可愛らしい帽子"を深夜まで小声で歌っていた。フェデラーは、ウィンブルドンで連続7年決勝進出を果たしていたが、今回は逃した。モーツァルトは、心を明るくしてくれる。「まあね、ロジャーが知っているたった1つのアリアなんだ」と男子プロテニス 選手権協会Atpのチーム・マネージャーのヴィットリオ・セルミは笑った。セルミは、世界中のグランドと舞台の間の橋渡しをしてくれる人物だ。ノバク・ジョコビッチ (写真中)にレポレッロの歌を教えたり、プラシド・ドミンゴの公演にラファエル・ナダルを連れて行ったり.....

 スポーツとオペラ、ベルカントとテニスの間には、ルチアーノ・パヴァロッティが、ビョルン・ボルグ、またはジョン・マッケンローと試合をした頃からずっと調和があった。最近ではファン・ディエゴ・フローレス、ピエトロ・スパニョーリ、フェルッチョ・フルラネット、ドミンゴももちろん全仏オープンとウィンブルドンに熱中していたし、トリノ出身の指揮者エヴェリーノ・ピドは、18歳以下全イタリアテニス選手権の準優勝者で、ユヴェントゥスのサポーターだし、ダニエル・ハーディングも熱狂的なサッカー・ファンだ。ウィンブルドンの女子ダブルスで優勝したバニア・キングVania Kingは、天性のコントラアルトだし、アルゼンチンのOmar Hasan (バリトン) と私たちイタリアの Denis Dallan (テノール)のような国際的レベルの二人のラグビー選手は、同時に二つのキャリアを築いている。

 二つの世界、スポーツとオペラの完全な融合といえば、スポーツマンとしての経歴、ガッツ、physique du rôleでもグリゴーロがぴったりあてはまる。「歌うこととスポーツはとてもよく似ています」と33才のグリゴーロは説明する。彼は、ウィンブルドンで、ボリス・ベッカーの元コーチGunther Bresnikを強化トレーニングのために「予約済み」だ。「歌うためには、すべてのエネルギーを歌に注がなければなりません。テニスの試合をするとしたら動きに集中するように。それぞれの音符は、パスと同じようだし、それぞれの幕はセット....同じように5セットあるので、声の適切な配分を考える必要があります。」グリゴーロは、もっと若い時に実際にColoniチームのF.3000のレーサーだった。「でも、事故で、肋骨を痛めた時に、これは、止めるチャンスだと思いました。」このロンドン公演の後、マントヴァで衛星放送テレビ用の《リゴレット》をプラシド・ドミンゴと撮影、ニューヨークのメトロポリタンでボエーム、それから、ミラノ・スカラでロメオとジュリエットとぎっしりつまった契約にもかかわらず、スキーをしたり、サッカーをしたり、スポーツジムにも行く。活発で、ちっともじっとしていない。ウィンブルドンに午後までいて、チャールズ皇太子主催のディナーにウィンザーに立ち寄る。

 フェデラーの才能、ナダルの不屈の精神について、「Corrado Barazzutti に、君は6ヶ月トレーニングすれば、ちゃんとしたテニス選手になれるって言われたんだけど、やっぱり、歌うために身体は、役に立つ...もちろん本当です。舞台ではナダルの気分になって、とても大胆になります。フェデラーからは、もっと自分を管理することを学ばなければと思っています。」グリゴーロは歌は4才で、テニスは7才からはじめた。「ニコラ・ピエトランジェリ(写真右)のサインのある木製のマキシマを使っていましたが、その後、全仏オープンで彼に会いました。やっぱり、僕もまたグ ランドスラムのように劇場に出演しています。つまりパリ・オペラ座、ニューヨークのメト、それから、ここロンドンのロイヤル・オペラハウスは、ウィンブルドンと同じように素晴らしいです。コヴェントガーデンで観客の皆が、僕に拍手するために立ち上がった時、ないのは優勝カップだけだな...と思いました。」』

以上いつものように抄訳のいい加減意訳です。記事全文はMusica - LASTAMPA.pdf

 オペラ歌手は、動きながら歌わなければならないので、特に身体能力を必要とするわけですが、スポーツ万能だから、演技をしながら自然に歌えるというわけでもないようです。ルッジェーロ・ライモンディが、デビュー当初は、緊張のため歌と身体がバラバラで、それを、演出家のピエロ・ファジョーニが特訓で克服させた....というエピソードがありますが、その時に、ファジョーニは、ライモンディはスポーツ万能だから見込みがある....と思ったそうです。ライモンディ自身も15,6才の時に、バレーボール(バスケットボールという説もある)全国ジュニア代表選手だったということですし....パヴァロッティは、元体育の教師でしたし
 私が聞き及んでいる範囲でのオペラ歌手身体能力ナンバーワンは、ペーター・ホフマンですが、グリゴーロとの共通点が多いな...といつも感じます。その身体能力を生かして、ペーター・ホフマンはパルジファルで実際に投げられた槍を素手受け止めで観客をわくわくどきどきさせていますし、グリゴーロは6フィートはある台座に一気に飛び上がって、観客を唖然とさせていますし、スポーツで鍛えているせいか、歌のスタミナも並ではないようです。それで、歌でも人の心をつかんでしまうわけですから... オペラ歌手にとって、歌に集中しながら舞台で自由に動ける能力は、大切だと思います。

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